誰が神の心を理解したことがあるのか

神は自らの全てをあなたがたに授けた。あなたがたは本当に今なお彼を生きたまま食べたいというのか。彼は自らの全てを少しも余すこと無く、またこの世の栄光や人間の温もり、人間の愛、あるいは人間の祝福を享受すること無く、あなたがたに与えた。人間は彼に対して極めてさもしく、彼は決して地上の富を享受せず、彼はその誠実で熱意ある心の全てを人間に捧げた。彼は自身の全てを人類に捧げた。それで、彼に対して温もりを与えた者がいるだろうか。誰が彼に慰めを与えたというのか。人間は彼にあらゆる圧力をかけ、あらゆる不幸を与え、人間の中で最も不幸な経験を押し付け、あらゆる不義を彼のせいにし、そして彼はそれを無言で受け容れてきた。かつて彼が誰かに反抗したであろうか。かつて彼が誰かから少しの返報を求めたことがあるだろうか。彼に同情を示した者がこれまでいるであろうか。


普通の人間として、あなたがたの中で、ロマンに満ちた幼年期を過ごさなかった者がいるであろうか。色鮮やかな青春を過ごさなかった者がいるであろうか。愛する者の温もりを知らない者はいるであろうか。誰が親類や友人の愛を知らないというのか。誰が他人に尊敬されていないというのか。暖かい家庭が無いというのか。誰が腹心の友をもつ慰めを知らないというのか。しかるに、そうした事のうちのどれかを神は享受したであろうか。誰が彼に少しでも温もりを与えたというのか。誰が彼に少しでも慰めを与えたというのか。誰が彼に少しでも人間の倫理を示したというのか。かつて誰が、彼に対して寛容であったというのか。かつて誰が、困難な時に彼と共にあったというのか。かつて誰が、彼と共に困難な生活を過ごしたというのか。人間は、彼に対する要求を少しも和らげたことがない。人間は何の良心の呵責も無く、彼に対して要求を突き付けるのみである。霊に由来し受肉した神を、肉にある人間が神として扱うことが、どうして出来ようか。人間のうち、誰が神を知ることが出来るというのか。


真理は人間たちの間のどこにあるのか。真の義はどこにあるのか。誰が神の性質を知り得ようか。誰が天の神と争うことが出来ようか。神が人間のもとに来た時、誰も神を知らず、神は拒まれたのも不思議では無い。人間が神の存在を容認することが、どうして出来るだろうか。光がこの世の闇を追い払うことを、どうして人間が許すことが出来ようか。これら全ては人間の貴ぶべき献身では無いのか。それは人間がいのちに入る公正な道では無いのか。そして、神の働きは人間がいのちに入ることを中心としているのではなかろうか。あなたがたが神の働きを人間がいのちに入ることと融合し、人間と神の良好な関係を築き、人間が行うべき本分を能力が及ぶ限り尽くすことを、神は望む。このようにして、神が栄光を受けることを結びとして、神の働きは完了するであろう。


『言葉は肉において現れる』の「働きと入ること(10)」より編集

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