受肉した神は静かに救いの業を為す


人々の間に紛れているこの平凡な人こそが私達を救うための新しい働きを行っているのだ。この人は私達のために何も明らかにすることはないし、来た理由を説明することもない。単に為すべき仕事を段階ごとに、自分の計画に沿って行うだけである。彼は益々頻繁に声を発し、発言するようになる。それは、慰め、励まし、忠告、警告などから、非難や懲らしめまである。穏やかで優しい口調から、荒々しく威厳ある言葉使いまであり――どれもが人に哀れみと戦慄を注ぎ込む。彼が言うことは全て、私達の中に深く隠された秘密に命中し、それは私達の心を突き刺し、霊を突き刺し、私達を恥ずかしく、みじめな気持ちにする。


私達は、彼から絶えることのないいのちの水を喜んで享受し、彼のおかげで神と向かい合って生活している。私達は天におられる主イエスの恵みには感謝するが、神性を備えたこの普通の人の気持ちには注意を払ってこなかった。それでもなお、彼は肉体の中に隠れて謙虚に仕事を続け、その心の声を発し、人類が彼を拒んでも表向きは気にかけず、また人の稚拙さも無知も見たところは永久に赦して、そして人々の非礼をひたすら黙認している。


その言葉は生命力を備え、私達が歩むべき道を示し、真理とは何かを理解できるようにする。彼は私達のために労力を惜しまず、私達のために睡眠も食欲も無くし、私達のために涙も流し溜息をつき、病気に苦しみ、私達の終着点と救いのために屈辱を耐え忍び、私達が鈍感で反抗的なために、その心は涙と血を流すのである。この人のそのような存在ともてるものは、普通の人を超えているし、堕落した者には誰も到達することが出来ないものである。彼には、普通の人にはない寛容と忍耐力が備わり、その愛はどんな被造物にも持ちえないものなのだ。

『言葉は肉において現れる』の「神の裁きと刑罰に神の出現を見る」より編集

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