真の人間らしく生きる唯一の方法

中国 心诚

以前に日本人作家の小説を読んだの。あるセールスマンが薄毛の画家に、これがあれば薄毛が治ると言って、育毛剤、染髪剤、ポマード、梳きばさみ、バリカンを売りつける話。画家は大枚をはたいたのに、結局薄毛は治らなかった。作者は風刺をもちいて、近頃のたちの悪い販売員の悪徳商法を暴いてみせ、騙されないよう警告してる。この手のことはどんどん悪質になってるのに、誰も解決できない。実はわたしもその一人だったの。もっと稼ごうとお客に嘘をついて騙し、深みにはまってやめられなかった。そんな時、終わりの日の全能神の働きを受け入れ、全能神の御言葉を読んで、いくらか真理を理解した。考え方が変わり、神の御言葉通りに真理を実践して正直になり始めた。それが率直に人間らしく生きる唯一の方法だわ。

わたしがはじめてヘアサロンを開いた時、正直に商売すると心に誓った。それを実行して、決して不当に儲けなかった。どのお客の髪も全力で取り組み、料金は同業者より安かった。でも、一年必死に働いて、家賃と税金、公共料金、暖房費などを払ったら、二千元ほどしか残らなかった。近所のサロンより忙しいのに、あちらの方がずっと稼いでた。卑劣な手段で不正に儲けようと、お客からむしり取っていたのよ。正直、時々わたしもそうしたかったけど、そんな稼ぎ方は気が咎めた。ことわざにあるように「貧すれど誇り高く」よ。どんなに貧しくても品位を保たなくては。色々考えた末、自分の良心に従って商売を続け、どんなに稼ぎが少なくても、善人でいようと決めた。そうして三年が過ぎ、同時期に開業した他の美容師は、大きな店を開いたり大規模な商売をしたりしてた。車を持っている人までいたけど、わたしは三年前とまったく同じ。

ある日、父が病気で入院して、治療費が数万元になろうとしてた。わたしはほとんど貯金がなく、できる限りの借金をしても、治療費の半分にしかならなかった。借金の額と、返済のめどもたたないことを考え、心に葛藤が生まれた。少しだけ料金を上げるべき?裕福なお客の料金をちょっと水増しするとか?ジレンマに陥っていたら、友人がこう言った。「評判にこだわりすぎるからこんな目にあうのよ。他のサロンのオーナーは、年に数万も稼ぐのに、あなたは数千でしょう。本当に頑固ね。借金を一刻も早く返したければ、もっと賢く商売しないと。もっと稼ぐには、多少の小細工も必要よ」友人が帰った後、向かいのサロンのオーナーが、わたしをからかいに来た。「サロンの経営が本当にお上手ね!お客の入りも評判もいいけど、利益はそうでもない。マザー・テレサになりたいの?あなたほどの腕なら、とうの昔にお金持ちでしょうに。正直すぎるのねえ。商売はもっと賢くやる必要があるのに、疲労困憊して儲けはちっぽけ。『金があれば鬼にひき臼を回させることができる』とか、『目前の金を取らぬは愚か』と言うでしょう?少し考えたほうがいいわ」その晩は眠れず寝返りばかり打って、「二人の言うことは理にかなってる」と思った。「正直に商売しているけど、いつになったら稼げるの?『金はすべてではないが、金なしでは何もできない』と言うし、一文(いちもん)あれば英雄にも勝てる。それに、入院中の父の治療を遅らすわけにはいかない。父の治療費と借金返済のために、少し小細工をしてもいいわよね」そう自分に言い聞かせ、裕福なお客相手に試してみようと決めた。

翌日、一人のお客がパーマをかけに来た。裕福そうな身なりで、この機会に少し余計に稼ごうと思った。お会計になって、即座に200元を請求した。実のところ、動悸が激しくなったわ。だって普段は120元だから、そんなに多く請求して、高すぎると責められないか心配したわ。そう言われたら、少し料金を下げようと思った。気が咎めて、お客と目も合わせられなかった。でもお客はすぐに支払ったうえに、腕がいいとほめてくれた。髪型をとても気に入って、これならいくらでも払うし、友達や家族に薦めると言った。お客が帰って、しばらく落ち着かなかった。あんなに信用してくれたお客を騙すなんて、まったくモラルに反するわ。でもやっぱり、「目前の金を取らぬは愚か」と言うし。それに借金もあるからと思い、罪悪感を押し殺した。その日以来、商売に対する態度を変えた。裕福なお客が来るたび満面の笑みで迎え、サービスや商品を勧めた。

ある時、お客にシャンプーとセットを頼まれ、こう思った。「シャンプーは10元にもならない。もっと稼ぐ手を考えないと」そこでこう言った。「髪がとても乾燥していますね。すぐにケアしないと抜けちゃいますよ。髪は女性の第二の顔。髪の問題を放っておくと、後悔しても手遅れです」お客は納得して、脱毛防止の栄養剤のセットに三百元も払ったうえに、オイルトリートメントの常連になったわ。お客が帰った後、落ち着かなかった。お金は稼げたけど、商品の効果はわからない。大げさに売り込んだけど、効果がなくて、お客が文句を言いにきたらどうしよう?でも悩んでも無意味だわ。売ってしまったものは仕方ない。数日後にお客の髪をカットしていたら、フケが出て頭皮が痒いと言ったの。そこで思った。「うちのシャンプーを勧めればもう少し稼げるわ」そこで巧妙に言った。「フケと頭皮の痒みは炎症が原因で、進行すれば髪が抜けて、自分に自信を持てませんよ」お客は慌てて、どうすれば良いかと聞いたので、もちろんうちのフケ防止シャンプーを勧め、効き目は抜群と保証した。お客は喜んでシャンプーを買った。仕入れ値が25元のものを68元で売ったのに、お客は何度もお礼を言った。そうすれば簡単に稼げるんだって気づいた。どうりで他のサロンは儲かるわけね。わたしもすぐ裕福になれるだろうし、そうなれば父の治療費の心配もない。そうやって、不安な気持ちは次第に消え、嘘とごまかしがお金を稼ぐ唯一の方法だと思うようになった。

十年が瞬く間に過ぎた。いくらかお金も稼ぎ、借金はすべて返済し、家と車も買った。でもどういうわけか、生活は快適になったのに、少しも幸福だと感じなかった。いつも空虚で不安な感じがあった。「人が行なえば天が見る」とか、「因果応報」と言うでしょう。騙したお客たちがいつか怒鳴りこんで来て、評判が台なしになるかと怖かった。そう思うと恐ろしくて怯えて暮らした。心底疲れたわ。まっとうな商売に戻りたかったけど、できなかった。味をしめた泥棒みたいに、やめたくてもやめられなかった。

罪の泥沼にはまって、あがき苦しんでいる時、友人が、終わりの日の全能神の福音を説いてくれたの。神の御言葉はすべて真理で、あらゆる困難を解決し、魂の痛みを癒すとおしえてくれた。その後、兄弟姉妹と一緒に神の御言葉を読んだり、讃美歌を歌ったりし始めて、本当に心が安らいだ。あんな気持ちに値段はつけられない。信仰の教えに従おうと決心したわ。

ある時集会で、兄弟姉妹が神の御言葉の一節を読んだ。「誠実であるということは、自らの心を神に捧げること、万事において神に真実であること、万事において神に隠し立てしないこと、事実を隠さないこと、立場の上および下の人を欺こうとしないこと、神にこびへつらうためだけに行動しないことを意味する。要するに、言動において純粋であり、神も人も欺かないということである。……共有するのを躊躇するような秘密を数多く持っているなら、自分の秘密、つまり自分自身の困難を光の道を求めるために他者の前に明かすのがどうしても嫌だというなら、あなたは簡単には救いを得られない人であり、暗闇から簡単には脱せない人であるとわたしは言う(『神の出現と働き』「三つの訓戒」〔『言葉』第1巻〕)。とても感動したわ。神は正直な人間を愛し、嘘つきを嫌うとわかった。正直な人間になるのが、御国に入る唯一の方法。兄弟姉妹はみんな純粋で率直だった。面子や地位のために嘘をつくことがあっても、いつも反省して、率直で正直になることができる。真に自由で束縛のない人生だわ。教会は世間とはまったく違うと感じた。神は正直な人間を愛し、正直になればなるほど愛すけど、嘘つきになればなるほど嫌う。正直な人だけが真の幸福と喜びを得られる。神が愛する正直な人間にとてもなりたかった。でもわたしは商売人で、物質主義の社会ではお金がすべて。正直に商売すれば稼げないだけでなく、周りに馬鹿にされる。それではこの社会でやっていけないし、いずれ店がつぶれてしまう。でも神は、正直な人間を愛し、嘘つきは救われないと明言なさってる。神のお求め通りに真理を実践せず、商売で不正をしたり、嘘をついたり騙したりしていたら、神に憎まれるのでは?何度も考えた挙句、神の御言葉に従って行動し、真理を語って正直になることを実践すると決めた。

ある日、お客の髪を切っていたら、もし髪が乾燥していればオイルトリートメントもしたいと言われて、こう思った。「カットはたった10元だけど、オイルトリートメントなら100元はもらえる。お客の頼みだし、こちらがもっと儲けようと勧めたわけじゃない」実際、髪を見てみたら、少しも乾燥していなかったけど、正直に言ったら、お客はトリートメントをするわけがない。困っていたら、この神の御言葉を思い出した。「言動において純粋であり、神も人も欺かないということである(『神の出現と働き』「三つの訓戒」〔『言葉』第1巻〕)。神の御言葉ですぐに気づけた。正直な人は言動が実践的で現実的だって。神にも他人にも嘘はつかない。正直な人になりたければ、神の御言葉通りに行動し、真実を語らなくては。だからお客に言ったの。「髪は乾燥していません。お金の無駄ですよ」お客は驚いて言った。「プロとして正直で驚いたわ。今時そんな商売人は珍しい。絶対に家族全員の髪をここでやってもらうわ」お客にそう言われて嬉しかったし、神に何度も感謝したわ。正直に真実を語ることの素晴らしさと心地よさを味わったの!

それからは、神のお求め通りに正直な人として行動した。ふと気づくと、恐怖と心の悩みは残らず消え、文句を言われるのではと心配もしなかった。毎晩ぐっすり眠ったわ。真理を実践して正直に話せると思った。でも驚いたことに、サタン的な性質と考え方が根深くて、大きな利益に誘惑され、また以前のやり方に戻ってしまった。

ある日、旅行帰りの女性五人がサロンに来た。タクシーの運転手に薦められて、まっすぐうちのサロンに来たの。女性の一人が言った。「料金は問題じゃないから、いい仕事をしてね」そう聞いて、思った。「またとないチャンスだわ。今回だけ嘘をついても、神もお許しくださるはずよ」160元のパーマを260元だと言ったら、誰も文句を言わなかった。500元よけいに稼げたわ。お金をもらってとても嬉しくて、その月の家賃は心配ないと思った。でもその晩、憂鬱で不安だった。床についても落ち着かず、眠れなかった。

後で思ったの。正直なのは良いことで、どう行動するかにつながり、救われて神の国へ入れるかどうかに関わっている。それならなぜ実践しないの?本当の理由は何?答えを求めて、神の御言葉の朗読動画を観たわ。全能神は言われます。「昔は誰も騙されないように、買い手が誰であろうが同じ価格で商品を販売して、商業を営んでいました。ここに良心と人間性が感じられませんか。人がこのように信頼にもとづいて商業を営んでいたとき、ある程度の良心や人間性が当時あったと言うことがわかります。しかし、金銭への要求が増加を続けるにつれて、人間は知らぬ間に金銭や利得、快楽をますます愛するようになりました。つまり、人間は金銭を以前より重要であると考えるようになったのです。人間が金銭を重要視するとき、人間は知らぬ間に自分自身の評判や名声、信望や人格を軽視するようになります。そうではありませんか。商業をしていると、他の人が様々な手段を用いて人を騙し、裕福になるのを見ます。不正手段による利得ですが、人はますます裕福になってゆきます。あなたはこのような人と同じ商業を営んでいて、よその家族全体があなたよりも人生を楽しんでいるので、あなたは気分が悪くなり、『自分も同じようにできないのはなぜだろう。あの人たちのように稼げないのはなぜだろう。もっと稼ぐ方法を考えて、商業を繁栄させなければ』などとつぶやくのです。そしてあなたはどうすれば大金を作れるか、全力で熟考します。誰にでも同じ金額で販売する通常の商売の方法に従えば、取得した金銭は良心によるものです。しかし、これではすぐに裕福になることはできません。利益を得る衝動に駆られると、考えが徐々に変化してゆきます。この変化の過程において、行動原則も変化し始めます。誰かを初めて欺く時、『人を騙すのはこれが最後、二度としない。人を騙すことはできない。人を騙すと、その報いを受けて災難が降りかかるだけ』などと言って、遠慮があります。初めて人を騙す時、心には躊躇があります。これが人間の良心の機能です。ためらいと自責の念のために、誰かを騙すと不自然に感じられるのです。しかし、うまく誰かを騙すと、以前よりも多くの金銭を持っていることに気付き、その方法が極めて有益になり得ると考えます。心に鈍い痛みがあるものの、自分の『成功』を祝いたくなり、自分に満足した気分になります。そこで初めてあなたは、自分の振る舞いと欺瞞行為を是認します。ひとたび人間がこの不正行為に汚されると、賭博に手を出してギャンブラーになってしまう人と同様です。無意識のうちに、自分の不正行為を容認し受け入れます。無意識のうちに、不正は正当な商業行為であり、自分の生存と生活のための最も便利な手段であるとみなし、この方法ですぐ裕福になれると考えます。これはひとつの過程です。最初は、人間はそんな行為を受け入れることはできず、そのような振る舞いや行為を侮蔑しますが、ひとたび自分自身で試し、自分なりの方法で実行し始めると、心は次第に変わり始めます。これはどういう変化ですか。それは、この動向を是認すること、この社会的動向により自分の内に浸透した考え方を是認することです。商売で他人を騙さなければ、自分は損をするといつの間にか感じます。他人を騙さなければ、自分が何かを失ったように感じます。知らぬ間に、こうした不正が自分の魂そのものとなり、背骨となり、不可欠な振る舞いとなって、それが自分の人生の原則になります。人間がこのような行動と考え方を受け入れた後、人間の心が変化していませんか。心が変化してしまったら、人格も変化していますか。人間性は変化していますか。良心は変化していますか。(はい。)そうです。心から思考まで、人のすべての部分が質的な変化を遂げ、内側からすっかり変わってしまうほどです。この変化により、あなたは神から次第に遠ざかって行き、次第にサタンに近くつながり、サタンに似てくるのです(『神を知ることについて』「唯一無二の神自身 I.」〔『言葉』第2巻〕)。神の御言葉はすべて現実を映す。これはまさにわたしのこと。初めは良心に従い正直に働いていた。でも父が入院して、友人や同業者に煽られて、もっと稼ごうと嘘やごまかしを始めた。結局自分を止められず、やめたくてもできなかった。すべてはサタンの堕落が原因だったのよ。世間に振り回され、サタンの哲学に染まってた。例えば、「己を怠る者は、天罰を受け地が滅ぼす」、「お金は全てに勝り」、「金はすべてではないが、金なしでは何もできない」、そして「金があれば鬼にひき臼を回させることができる」がモットーだった。真っ当に稼がず、邪悪な流れに従った。利益のためならなりふり構わず、他人のやり方を真似ることをおぼえた。知恵を絞り、お客を騙すために何でもして、どんどん身勝手で、不正直で、邪悪で、貪欲になった。まともな人間の良心、理知と品格を失った。長年嘘とごまかしでお金を稼ぎ、借金を返してより快適な生活をしても、真の幸福は得られなかった。ずっと罪悪感があって、嘘がばれて評判が台なしになるのをいつも恐れてたけど、すっかりはまって抜け出せなかった。信者になって、神は正直な人間を愛すると知り、神の御言葉を実践しようと祈りの中で決意しても、大金に誘惑されると嘘やごまかしをしてしまった。心底サタンに堕落させられていたのよ。ついに気づいたの。サタン的な人生哲学は悪いことで、人を惑わし害を与える。わたしはあまりに堕落させられ、どんどん邪悪で不純になった。こんな哲学で生きて、不誠実な商売をするのは、正しい生き方じゃない。神の御言葉を実践して、正直に、神のお求め通りに真理を実践するのが、唯一の正しい生き方よ!

その後、神の御言葉のこの節を読んだの。「誠実な人になるにはどう実践すべきですか。(詐欺に手を染めず、話をするときにそれを薄めないことによってです。)『薄めない』とはどういう意味ですか。それは、話の中に嘘を混ぜたり、個人的な意図や目的を抱いたりしないということを意味します。偽り、あるいは個人的な意図や目的を抱いているなら、自然と嘘が紛れ込みます。偽りも、個人的な意図や目的も抱いていないなら、あなたの言うことは薄められず、嘘を含むこともありません。『はい』と言えば『はい』の意味であり、『いいえ』と言えば『いいえ』の意味です。最初に自分の心を清めることが、一番大事なステップです。ひとたび心が清められると、傲慢さ、ずるさ、そして不実さという問題はすべて解決されます。誠実な人になるには、自分の心からそうした不純物を取り除き、きれいにしなければなりません。そうすれば、誠実な人になるのが簡単になります。誠実な人になるというのは複雑なことですか。いいえ、そうではありません。あなたの中にどれほど多くの状態や堕落した性質があろうとも、これがそのすべてを解決できるただ一つの真理です。嘘をつかないこと。白は白、黒は黒と言い、真理に沿って実践し、何をするにも透明でいて、神の前にいる人間として生きなさい。そうすれば、光の中で生きることになります(『終わりの日のキリスト講話集』の「堕落した性質を解決する道」)。神の御言葉から、実践の道が見つかった。まずは自分の動機を正し、嘘をついたり、騙そうと考えたりしないこと。隠し事をせずに生きて、尊敬と信頼に値する人になり、もっともっと人間らしく生きること。神は正直な人を愛して祝福なさるの。そういう人は、暗く苦しい人生とは無縁で、嘘をつこうと頭を悩ますこともない。特に、嘘で身を滅ぼすかと毎日怯えて暮らさなくていい。正直な人は心の束縛がなく、自由で心穏やか。その真の意味を理解したら、神のお求め通り正直になりたくなった。

翌日のお昼に、お客の髪を切っていたら、以前、養毛剤を勧めた女性が、浮かぬ顔で入って来た。こう思ったわ。「困ったことになりそう。他のお客の前で、商品が効かないと言ったらどうしよう?商売に悪影響が出るわ。どうやって帰ってもらおう?」どう対処しようか考えていた時、神の御言葉を思い出した。「嘘をつかないこと。白は白、黒は黒と言い、真理に沿って実践し、何をするにも透明でいて、神の前にいる人間として生きなさい。そうすれば、光の中で生きることになります(『終わりの日のキリスト講話集』の「堕落した性質を解決する道」)。もう嘘やごまかしはできない。女性に何と言われようと、他のお客にどう思われようと、今後お金を稼げようと稼げまいと、神の御言葉に従って、本当のことを言い、苦情をちゃんと受け入れよう。そう考えていたら、女性が怒った声で言った。「この養毛剤で増毛できると言ったわよね?一本も生えてこないわ。騙したわね?」わたしは心を込めて言った。「この商品が効くというお客も、効かないというお客もいます。自分では使っていないので、わかりません。効果がないと感じるなら、返金しますから、ご使用をやめてください」すると、女性の怒りは消え、ほほ笑んで言った。「本当のことが知りたかっただけよ。正直に言ってくれたから、返金はいいわ。この商品を使っても髪は増えないけど、柔らかくなって艶が出たしね」彼女が帰ってから、今のことを振り返った。正直に真理を実践することは損じゃないと、真に体験できた。尊敬と信頼を得るだけでなく、いい気分だわ。正直な人でいることに、より自信がついた。

ある週末、姉がサロンにシャンプーをしに来た時、髪を染めに来たお客がいた。わたしはお客の髪を見て言った。「染めたばかりですね。もう少し待ったほうがいいですよ。染髪料の化学物質は体に悪いですから」お客は驚いて言った。「こんなふうに商売をしている人がいるなんて。繁盛しているのも当然だわ。人柄が成功の秘訣ね!」お客が帰った後、姉が怪訝な顔で言った。「熱でもあるの?お金儲けのチャンスをふいにするなんて」わたしは穏やかに言った。「行ないが商売に影響するのよ。良い人間でなければ、良い商売はできないでしょう?無節操に手早く稼げたとしても、長続きはしない。今は公明正大に行動しているから、良心的に稼いで、ずっと気分がいい」姉は微笑んで言った。「以前とは商売の仕方がまったく違う。本当に変わったわね!」驚く姉を見て、神に何度も感謝した。すべては神の御言葉のおかげで、正直な人になって真実を語ることで、心の平穏が得られた。

その後、サロンは週末や祝日になるといつも混み合い、口コミや友人の推薦で、大勢が来店した。以前は、商売では嘘をつかないと成功できず、周りに笑われると思ってた。でもようやくその観念の馬鹿らしさがわかった。サタンの哲学は、一時的な利益をもたらすけど、後には空しさと苦痛しか残らない。人間らしさのない、卑劣で不道徳な生き方よ。今は真理の実践に集中して、正直に語り正しく生きている。尊敬と信頼を得ただけでなく、心の平穏を実感してる。素晴らしい生き方よ!今のこの小さな変化は、すべて神の御言葉のおかげよ。全能神に感謝!

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